現在、日本国内で不妊治療を行っている病院は600施設以上あります。この中から実際に通う施設を選ぶ際、多くの方は「治療成績がいいところ」を望まれるでしょう。
治療成績は参考にとどめて
しかし、この治療成績は参考程度にとどめるのが無難です。なぜなら高齢の患者さんや難しい症例の患者さんが多い施設は見せかけ上、成功率が低くなってしまうからです。一方で、治療の実施件数が多いことは病院選びのひとつの指標になります。実施件数が多いほど経験豊かな医師やスタッフが揃っている可能性が高いでしょうし、患者さんはおのずといい施設に集まってくるものです。通いやすさも大切。体外受精では注射のために連日通院することもありますので、自宅や職場から無理せずに通える距離にあることもポイントでしょう。
医師とコミュニケーションを取りやすいことも大事
まずはこうした客観的条件から病院を絞り込み、最終的には実際に受診してみて判断するのが望ましいでしょう。その際、もっとも大切なのが、医師とコミュニケーションが取りやすいかという点です。女性が妊娠できる可能性は年齢とともに低下してきますので、不妊治療では、限られた時間の中でいかに無駄のない治療プログラムを組んでいけるかが成功のカギになります。患者さんへの十分な説明もないまま、なかなか結果が出ない治療法を何か月も漫然と続けるような病院は問題です。医師が患者さんとのコミュニケーションを通じて常に患者さんの状態を把握し、何らかの変化が見られた場合は、それに対応した適切な判断を瞬時に下すことができる-。そんな健全な医師・患者関係が築かれている病院が理想です。
また不妊治療において妊娠は通過点のひとつに過ぎず、最終的なゴールは無事に出産することです。そのため、体外受精であれば胚移植後6~9週間目の妊娠が安定して産科に引き継ぐまでの期間をきちんとサポートできる体制が整っていることも、病院選びの重要なチェックポイントになります。
一概にはいえませんが、そのほかには次のような点がポイントになると考えられます。
- ○不妊治療を担当している医師が複数いる。
- ○体外受精や顕微授精といった高度生殖医療も行っている。
- ○診察室がプライバシーに配慮したつくりになっている(ほかの診察室の話が筒抜けになることはない)。
- ○産科がある場合は妊婦と不妊治療患者が顔を合わせない配慮がされている。
- ○医師やスタッフが質問に丁寧に答えてくれる。
- ○医師が検査や治療法、その結果などについてきちんと説明してくれる。
- ○ホームページなどで不妊治療の料金を公表している。
-など
