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専門家インタビュー

専門家紹介

森本義晴

IVFなんばクリニック院長。1951年生まれ。関西医科大学卒業。専門は生殖超微形態学。顕微授精などの先端科学医療に東洋医学的な運動療法を取り入れ、高い妊娠率をあげている。日本IVF学会理事長、日本受精着床学会常務理事。聖マリアンナ医科大学客員教授、Pochon CHA University客員教授。


西洋医学と東洋医学の融合"統合医療"とは?

卵子のミトコンドリアに着目した統合医療で卵子の質を確保

近年、がんなどの治療において、外科的治療や投薬を中心とする西洋医学に、漢方や鍼灸などの東洋医学や、サプリメントの摂取、各種のセラピーなどを組み合わせた「統合医療」が注目を集めています。そこで今回は、不妊治療の分野でこの統合医療を実践していらっしゃる、IVFなんばクリニック院長の森本義晴先生にお話をうかがいました。 IVFなんばクリニックは世界でも珍しい電子顕微鏡をもつ不妊治療センター。その電子顕微鏡を活用して提供するのは卵子のミトコンドリアの保護を目的とした統合医療です。

「ミトコンドリアはエネルギーの通貨と呼ばれるATPを作っており、この通貨があってはじめて卵子は分割したり受精したりできます。卵子が劣化する理由はいろいろありますが、ミトコンドリアがATPを作る時に自分で活性酸素を出していて、それによって(卵子が)障害を受けます。活性酸素は脳と肝臓で一番多く作られていますので、われわれのクリニックでは脳の活性酸素をいかに抑えていくかを考えています」と森本先生。

子宮の安静を保つ自律訓練法(AT法)で着床率をアップ

脳の活性酸素を増やす原因にはストレス、喫煙、高齢化などがあり、このうちストレスへの対処法として導入しているのが、自律訓練法(AT法)。強制リラックス法とも呼ばれ、パニック障害や自律神経失調症などの治療でも高い効果をあげている心理療法です。

「子宮はストレスがあったり、体を動かしすぎたりすると収縮するので、その収縮を止めて子宮の中の血流をいかに良好にするかが着床のカギになる。自律訓練法を胚移植などの前にやっていただくと、子宮の安静が保たれる。これで、着床率が上がります」

さらに喫煙者には禁煙外来を、高齢の患者さんにはアンチエイジング対策として漢方薬やサプリメントの処方などを行っています。


卵子劣化の原因、活性酸素を消去する"スカベンジャー"

栄養面からのアプローチとしては「スカベンジャー」の摂取を推奨しています。スカベンジャーとは食事の中に含まれる、活性酸素の消去作用をもつもののことで、ルイボス茶、L-カルニチン、メラトニンなどがその代表例。クリニックでは血中の活性酸素を測定し、高い場合には栄養士がスカベンジャーの摂取法を指導します。

ほかにも鍼、気功、アロマセラピー、足つぼマッサージ、ベリーダンスのなど、様々なメニューを患者さんに提供する一方で、新しい医療技術の開発・導入にも力を注いでいます。研究部門では現在、透析膜を使った新しい凍結技術の開発などを進めているのだとか。

「西洋医学の先端科学技術と東洋医学などを一緒にした統合医療というものが究極の不妊治療だと考えています。卵子や精子やテクノロジーやサイエンスや、だけでいくのはもはや"20世紀の治療"で古い。今後はミトコンドリアにターゲットをあてた1歩進んだ不妊治療を行わなければ妊娠率は今が限界。それ以上はあがらないでしょう」

目指すのは患者さん1人ひとりにとって最適な"テーラーメイド不妊治療"

患者さんに心身とも健やかな状態で治療に臨んでもらうためにも、多様なメニューの中からその患者さんにとって最適なプログラムを組み、提供していくことが何より大切と森本先生。

「私たちが目指すのは"テーラーメイド不妊治療"というものです。患者さんは画一的に皆同じではなく、社会的なバックグラウンドも違えば、体力も経済力も違う。それをよく見て合わせてあげないといけない。その人の状況と違うものを提供してしまうとそれがストレスになり、活性酸素を生むことになってしまうからです」


 

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